yuitohi

公開交換日記 ユイ⇄ヒ

水中との境

この前ふと思い立ち、一人で近所の市営プールに行ってきた。仰向けで顔だけ出してただただ浮かぶ。水中にいる耳は音を篭りながらも直接的に脳味噌へ伝達してくれる気がして、体を少し動かして振動で遊ぶ。蹴った水の流れ、空中に放つ鼻歌、風で木の葉が揺れている。終わりも見えない空の下のはずなのに、目を閉じると閉鎖された球体に一人取り残されている感覚にもなり、数秒ともたず目を開けてしまった。目を開けてさえいれば水の中はとても気持ちがよくて、頭がクリアになる。囲まれた森の隙間から西日がきれいに見えた。

ちょっとした深い呼吸のように無意識のうちに発生してしまう怒りや嫉妬幻滅、思い上がりなどの感情は、私だけの自由で私だけがどうにかできるものだ。同時にそれは私以外には全く関係のないことで、だからその対象は相も変わらず自身の人生を続けていく。知らないのだから。どのように伝えるべきか、伝えないべきなのか、そしてそれはそのままに手渡すのか、包み直すべきなのか。

日常は何ら変わりばえもせず、頭の中だけが毎日変わる。

ただ一つだけ最近ポジティブな発見があり、身近な人を頼りにすることはすごくいいな、ということ。一人めそめそ停滞している、ずっと私はそんな感じでいたんだけれど、勇気を持って恥を捨てそっと相談してみると、思い切って聞かせてみると、速度がこんなにも早くなるのか、と思い知らされている。対人関係において私は恐らくかなり消極的で自分から会おうと誘うことも関係性を提案することもなく、受け身の体制をとってしまうことが多かった。でも周りに今いる人たちのパワーをありがたくかりれば、欲求は形にできそうで、大きな歩幅の一歩が踏み出せそうでとてもうれしい。

私の叶えたいこと、手に取りたいもの、それはすごく小さい中で成り立って、しかもその方が良くなっていくような気がしている。そこに甘んじるんではなくてそこから始めていく。そんな気がしてる。