yuitohi

公開交換日記 ユイ⇄ヒ

悲しいことは全部雨が

例えば5年前の私が違うことを選択していたとしたら、何もかも違う生活をして、違う香りの空気を吸って、少し押し付ける思いを持ちながら馴れ合って過ごす今があったのだと思う。過去を振り返ることは無意味且つただ虚しい思いが膨らむだけなので出来る限りしたくない。後悔や雑念を振り払ってこの暮らしを貫いていけるなら、そうしたいのに、振り払っても蛇口を捻る同意を得て水に流さない限り、何らかがこびり付き残ってしまう。

もう何年も同じことを繰り返し、同じことをいい、聞き飽きた。自分の声にもういい加減飽きた。解決できないとわかっているのに、その事実を完璧に受け入れることをせずに、でもいい顔をしようと、いい風にいつか向いてくれるんじゃないかみたいな、いらない希望、勝手な気遣いと優しさを勝手に私がしていたんだと思う。認められない私がしてあげられることなんてひとつもない。してあげるって言葉がそもそも烏滸がましい。そしてそれが引き金だとも知らずにのこのこ向かって。完全に私の存在自体が引き金なんだと解った。


次元がもっと細かく分散して区切る場所を持っている世界なら、混じり合うところを見つけられたのかもしれない。でもこのままじゃできない。その体から生まれてきたのに、そのへそから栄養をもらって、肌の暖かさをはじめに教えてくれて、見た顔も聞いた声も一番はじめだった、初めての寄り添えた人間だったはず、不安の気持ちすら知らない私に無償の安心ばかりをあたえてくれたはず。今では私の身体だけ大きく成長してしまって、抱きつくことも躊躇してしまう。変わらないのに。反対に小さくなった身体を認識するこの目がつらい。

大切な人との関わり方がうまくいかなくて、一人では絶対にないのにひとりぼっちのような、明かりが灯らない部屋にいるような、なんかすごく寂しくて憂鬱な気分。そして雨。胸が嫌なドキドキをやめてくれない。前回の日記と真逆。孤独とうまく付き合えているなんて言うには何年も早かった。

私は考えないといけない。避けていたことを。考えて口に出して行動をしなくちゃいけない。どうすべきなのか。こういう気持ちをぶちまけるのは対人ではない。行為としての解決をなるべくはやく決めないといけない。

理想じゃなくても、見損なわれても、一人で完結できれば、少なくともだれも泣いたりはしないから。そんなことに体力を使う人が私の周りにはいちゃいけない。

狭い範囲で図太くやってきたという自意識が粉々になって、もうだれもいない、みたいな気持ちにたまになる。すぐに持ち直せるんだけど。昨夜メンヘラだったね、って言われる夜をすくなくしたいのに語彙力も頭も弱く、結局それで片付けられてしまう。