yuitohi

公開交換日記 ユイ⇄ヒ

あけっぱなしの窓

きのうはすごい雨だったね。どしゃ降りでびしゃびしゃになるの、けっこう好きだ。自分も植物になったイメージ。ずぶぬれになってけらけら笑いたい。

 

傘が回ってゆく良さ、なんかわかる気がする。取られるのは嫌だけど。人のダメなところによって、予測不可能な道を巡り巡ってゆくものたち。世界の隙のようなもの。

 

かわって今日はすずしい晴れでよい日和。歯医者さん行って内覧に行った。かわいいお部屋だったけど家賃が高くて決められなかった。気に入った部屋に住みたいなと思うけれど、家賃を抑えて選ぶ必要もあり、むずかしい。そのあとルート・ブリュック展、20世紀フィンランドのタイル作家。日常が叙情的に描かれた初期作品も、後期のミニマルな作品もぜんぶすてきだった。勢いよく引かれた線が色づき、物語になってゆく。日常をいとおしむことはきっと間違ってない。

 

 

久しぶりに温室を出ていろんな人に会ってみると、傷つくことが多くて疲れてしまっている。向こうにとっては些細なことでも、自分にとっては大きなことだと、どう言ったら伝わるのだろう。わたしは個人的なことを聞かれるのが苦手で、近づかれると構えてしまう。緊張したり萎縮したりするのは失敗だ、心を開くのは難しい。いつも窓をひらいておいて、風を通しておきたいんだけど、すぐにバタン!と閉めてしまう。そうするともうなかなか開けられない。

 

属性で語られるのが嫌と言うけれど、自分を開かなければ属性しか見えないのよなあ、喜怒哀楽、わかりやすく出せたら、それが個性なのだろう。

 

かなしいことを書いてしまったけど、わたしもこの日記がたのしい。おちつく。うれしいこともかなしいことも、自分のなかでぐるぐる考えてしまわずにいられるから、考えも変わる。たとえば、自分がどういうことを学んでいるか、今までは自信がなくて誰にも浅い部分しか話してこなかったけど、話してみたらなにか生まれるかしら。と今はじめて思った。思えた。誘ってくれて、ありがとう。

 

「あなた」に対して書く文体はロマンチックになるね。また雨が降ってきた、気をつけてね。

 

ユイ