yuitohi

公開交換日記 ユイ⇄ヒ

感知外の今

冬の訪香 プラスチックのゴミ 羽を広げた鳥の行方 記憶 故意に避け 風が運ぶものたちを傍観 した 目の前の景色は ただそれだけの 瞬間的に移り変わる 今よりずっと狭い範囲の 少しも続かない 少しも止まらない 見ない行為の不可能性  だから 舞う 舞っている 待っている だれかをただ ただだれかを待っていることは ただの場所 何畳かの湿気た六枚板

「私の心は壊れやすい花瓶です」橙の灯 緑の箒 もうすぐ枯れる 割れる 裂ける 崩れた結晶が輝く 乾涸びる前の波のように 不思議な顔をして   首を右に傾げ 左上に追い遣られた黒目 閉じ 聞こえる声は「それはなにも壊れていない」気をつけて 気をつけてね 愛に 絶望に 先の破片のことに 気をつけてね 遅すぎる懐古主義者 解放された水彩の流れ出た温度 時期に固まる 剥がしまた流れ出る 色さえ覚えておけば冷めることはないのだと 言った 君か 私か どちらもか が 歩さえ止まらなければ ふかした煙よりも速く進むのなら 速度 熱量 思い出すまでもない なりつつあるままで  なににもならずに なににでもなれるかたちを 保って 潰して 変えてどこまでもそして 見えない点を追い 名前のない小道 拾われない石 去っていった瞬き の間の風景を追って